再開発で進化する
福岡の未来と投資価値

高さ制限の緩和

福岡市は空港と都心部が近いコンパクトシティですが、都市形成の面で一つ大きな制限がありました。それが「ビルの高さ制限」です。この制限により、福岡市は他の大都市に比べ高いビルを建てることができませんでした。しかし、国家戦略特区の選定をきっかけにこの制限が緩和され、1棟単位ではなくエリア単位での特例承認が可能になりました。その結果、老朽化したビルの建替えが進められるようになり、現在の福岡市におけるビル建替えラッシュ、つまり多くの再開発事業につながっています。これからは、そんな福岡市の再開発事業を見ていきましょう。

航空法高さ制限の緩和

出典:福岡市「グローバル創業・雇用創出特区パンフレット」

さまざまな場所で再開発事業

高さ制限緩和を皮切りに、天神エリアの再開発プロジェクト「天神ビッグバン」、博多エリアの「博多コネクティッド」や地下鉄の延伸事業、福岡空港の再開発といったインフラ整備が進んでいます。また、都心のオアシスとして、公園そのものを広大なミュージアム空間とする「セントラルパーク構想」など、ハード面とソフト面の両方の開発が進行しています。

天神ビッグバン

新たな空間と雇用を創出するプロジェクト「天神ビッグバン」。
高さ制限の特例承認、耐震性や感染症対策に優れた最先端なビルへの建替えを促し、安全・安心で環境にも配慮した魅力あふれるまちづくりを進めています。
そして、ビルの建替えによって新たに創出された空間を活かし、新たなビジネスや雇用を生み出しています。福岡市が定める認定条件をクリアしたビルには、さまざまなインセンティブを付与する「天神ビッグバンボーナス」も創設され、現在8棟が認定を受けています(2025年4月時点)。

天神ビッグバン施策体系

出典:福岡市HP

ビル建替えによる効果の試算

出典:福岡市HP

ビル建替えの現状

出典:福岡市HP

画像引用:福岡市HP

博多コネクティッド

「博多コネクティッド」は、九州の陸の玄関口である「博多駅」のさらなる利便性向上を目指し、周辺の交通基盤の整備を進めるプロジェクトです。天神ビッグバンと同様に、ビルの建替えを促しながら、歴史あふれる「博多旧市街」との回遊性の向上も目指しています。また、さまざまなインセンティブが付与される「博多コネクティッドボーナス」が創設され、現在4棟が認定を受けています(2025年4月時点)。さらに、博多駅線路上空にビルを開発し、新たな都市空間を創出する「博多駅空中都市プロジェクト」も2022年3月に始動し、商業面でも博多駅周辺のさらなる発展が期待されています。

博多コネクティッド施策体系

出典:福岡市HP

ビル建替えによる効果の試算

出典:福岡市HP

ビル建替えの現状

出典:福岡市HP

画像引用:福岡市HP

地下鉄七隈線延伸開業

天神エリアと博多エリアを新たにつなぐ「地下鉄七隈線延伸事業」がついに完了し、令和5年3月27日に開業しました。福岡市地下鉄七隈線の天神南駅と博多駅を、中間駅となる新駅「櫛田神社前駅」でつなぐことで、西南部からの移動が最大14分短縮されます。
また、七隈線沿線の利便性が向上することでの、エリア人気の上昇にも寄与しています。

地下鉄七隈線延伸事業

出典:福岡市地下鉄HP

出典:福岡市地下鉄HP「工事だよりVol.25」

福岡空港再開発

福岡空港は、令和6年度に国内4位の着陸回数(国際線と国内線を合わせて)を記録しています。※
再開発では、第2滑走路の増設や、新たなエアラインの誘致、旅客ビル施設、商業施設、ホテルなどの建設を進め、東アジアトップクラスの国際空港を目指します。また、5スターエアポート獲得に向けた顧客満足度の向上にも取り組んでいます。

国土交通省「令和6年(暦歴・年度)空港別順位表)」

30年後の福岡空港のイメージ

出典:国土交通省「福岡空港の運営委託について」

ウォーターフロント地区

アジアの玄関口として、クルーズ船の寄港数が多い博多港の良さを活かすためのプロジェクトも検討中です。
長期的な課題として、感染症対策などを踏まえたMICE機能のあり方や、市民や来街者が楽しめる魅力あるまちづくりを検討していく予定です。

博多港

ここまで、さまざまな視点から福岡市を見てきましたが、再開発によるまちづくりといったハード部分だけでなく、街に新たなビジネスや雇用を呼び込むソフト部分も同時に進めることで、現在の人口増加や地価上昇などにつながっています。
福岡市がもつポテンシャルはすさまじく、成長可能性都市のポテンシャルランキングでは1位を獲得するなど、その魅力は明らかです。
優れた立地環境を活かし、現状に満足せずさらに前へ前へと進もうとする数々のプロジェクト。そして、それを支える福岡市への愛にあふれた人々こそ、福岡市の最大の魅力だといえます。

国内100都市を対象にした成長可能性都市ランキング(平成29年)

出典:株式会社野村総合研究所「ランキングによる都市の持つ「成長可能性」の可視化~地方創生の成功の鍵はどこにあるのか~」